御坊署管内で、万引きが激増している。同署によると、ことし1月から5月末までに被害届があったのは38件で、前年同期に比べ14件に増え16倍になった。検挙者は、半数以上が50歳以上だったことと、ほとんどが購入できるだけの現金を持っていたことが特徴で、「不況の影響も否定できないが、万引きが窃盗罪であるという認識が低すぎるのが大きな要因」と分析しており、スーパーなどと連携して対策を強化していく。
発生38件のうち検挙は36件で前年同期比7件増え、検挙人員も31人で6人増えている。発生場所は総合スーパーが13件で最多。以外ではコンビニ11件、その他のスーパー7件、ホームセンターとドラッグストア2件ずつ、その他の商店が3件だった。発生地域はスーパーなどが集中する御坊市内が圧倒的に多い。38件のうち約3分の1となる12件は5月の1カ月だけで発生している。
検挙した36件のうち19歳以下の少年は3件だけで、33件は成人による犯行だった。年齢別では50代が9人で最も多く、次いで60代の8人、70歳以上も2人いて、50歳以上で19人と検挙件数の半数以上を占めているのが大きな特徴。ほかは30代6人、20代5人、10代と40代3人。男女別ではちょうど半数ずつだった。
「生活に困って」と話す者もいたが、ほとんどは検挙当時、万引きした商品を購入できるだけの所持金があったという。このような状況から同署では「生活に困って盗んだというよりも、『万引きぐらい』という軽い気持ちで犯行に及んでいる傾向を強く感じる。窃盗という重大な犯罪との認識が薄いのではないか。一方で、万引きが増えていることに対して店側が対策を強化したことも届け出や検挙増につながっている」と分析。万引きは「ゲートウェイ(入り口)犯罪」といわれ、見過ごすことによって規範意識の低下を助長し、より悪質な犯罪に手を染めることにつながることから、今後はスーパーなどに必ず警察に通報するよう協力を求めていくことにしており、「常習性があったり悪質な者には、厳しく対応していく」としている。