日高川町の道成寺にある県指定文化財、「鐘巻銅鐸」が近く保存修理されることになった。
銅鐸はこれまでの研究によると、1世紀後半から3世紀初頭の弥生時代に作られたとみられ、1762年(宝暦12年)に道成寺の南約200㍍の田んぼで出土。以来、道成寺で保管されている。全長116㌢で県内最大の大きさ。裾部が欠落、ひび割れ部分などあることから、本格修理は道成寺の望みで、住友財団と平川に工場を持つ日本有数の歯車メーカー、大和歯車製作㈱の助成(2分の1ずつ)で実現することになった。修理事業は財団法人元興寺文化財研究所(奈良市)が約1年間かけて実施。裂傷部分をつなぎ合わせるなどして復元、整形するほか、将来的な保存も視野に入れて表面の防錆処理や樹脂含浸・湿布で全体強化を図る。費用は550万円。
事業では、修理に先立ち、最新技術を駆使して銅鐸を調査。銅鐸内に含まれる鉛から製造された年代や産地まで厳密に解明されるという。結果次第では弥生時代の人々が道成寺の近くで鐘(銅鐸)に祈りを捧げていたこと、銅鐸は大和朝廷からの造船の褒美で日高湾は中国との海運の拠点だったこと、宮子姫は漁師でなく造船師の娘だったことなど、夢いっぱいの歴史ロマンが生まれる可能性も。
小野俊成副住職は「当時のことが今日の日高港湾の第一歩だったかも知れませんね。それに、調査では1800年も前から道成寺が鐘の聖地だったということが証明されることになると思います」と話し、期待を寄せている。