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走ることを好きなままで

2010年3月16日

 先月開かれた県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会で、7年ぶり2回目の優勝を果たした御坊市チームの母体となる小学生陸上教室GOBOクラブ。メンバーの何人もが各種大会で優秀な成績を収め、クラブ卒業後もそれぞれに活躍、箱根駅伝走者も輩出している。誰もが認める強豪クラブだが、設立当初からのモットーは「陸上のプロは作らない」だ。
 
 クラブを初めて取材させてもらったのは、3年前のちょうどいまごろ。県の小学生タスキリレー大会で優勝し、初めて全国大会に出場するというので、特集を組ませてもらったのだが、そのときにコーチからモットーについて聞いたのだった。クラブに入っていても、他競技とのかけもちは大賛成。もちろん本人が陸上でオリンピックを目指すのは応援するが、あくまでも「走ることはすべての運動の基礎」として指導している。なるほど、練習ではまだ何のために走るのかよく分かっていないようなちびっ子も、一緒になって楽しんで駆け回っていた。
 
 今週末に2年ぶりの全国大会に出場するというクラブの選手たちを取材した。練習風景をカメラで追いながら、「走ることが楽しくて仕方がない」そんな思いが全身からあふれ出すようなエネルギーと運動嫌いだった自分は味わったことのないようなみなぎる充実感を感じ、あこがれのような気持ちさえ覚えた。新聞記者としては、大会でいい成績を出してくれると紙面がにぎわいうれしいのだが、走る姿を見ながら結果以上に「走ることを好きなままでいてくれること」を願っている自分がいた。メンバーの中にはもちろん、サッカーや野球、剣道と両立している子もいる。たとえ「陸上のプロ」にならなくても、いまの気持ちを忘れず、走ることをやめないでほしい。一ファンとして勝手なエールを送る。     (と)

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