日高町の中善夫町長は、 5日に役場で開かれた議会総務福祉常任委員会で新年度からの志賀保育所民間委託計画を断念すると発表した。 予算面の増大などを懸念する議会側の反発が依然強く、 当初議会に予算、 関係議案を提案しても理解を得られる見通しが立たないと判断し、 当初予算編成のタイムリミットぎりぎりで計画変更を決断。 新年度は、 平成18年度まで行ってきた町が臨時職員を直接雇用して運営する形態で対応することにした。
中町長は開会冒頭、 「『保育所の運営方法を再検討することを求める決議』 がなされた中で、 民間委託は経費がかさむ。 また、 保護者の一部不安など熟慮に熟慮を重ねた上で22年度は町が臨時職員を直接雇用して運営することとした」と述べ、民間委託計画の撤回と新たな運営計画を示した。委員からは「臨時保育士の待遇はどうなるのか」などの質問が出たが、臨時職員での新たな運営計画に異論はなかった。
町は昨年6月、労働者派遣法の規定で22年度以降、現在の派遣方式による運営形態を続けられないことから保育サービスの充実、保育士の安定的な確保には民間の活力が必要として新年度からの民間委託導入を表明した。その後、委員会でたびたび理解を求めてきたが、議会側は昨年12月議会で民間委託計画を再検討することを求める決議を可決。年明け1月下旬の委員会でも民間委託推進の町に対して反発が強かった。
町では、決議に法的な拘束力はないものの民間委託導入には一部条例改正などの議会議決が必要なため3月議会に関係予算、議案を提案するのは難しいと判断。3月議会開会(12日)も迫る中、先月下旬から急きょ、臨時保育士による運営の検討も始めていた。
担当課によると、予算面は計画変更で約7900万円を約6800万円にまで抑えられる。ただ、保育士の安定的な確保には不安が残る。21年度の派遣会社を通じての職員は保育士15人、調理師4人。残された時間ですでに公表している保育サービスに必要な保育士22人、調理師5人の人材確保はかなりハードルが高いようだ。仮に現在の派遣職員全員が臨時職員募集に申し込んだ場合でも、さらに新たな職員を見つけなければならず、周辺自治体の臨時保育士不足の状況からもスムーズに対応するのは難しいともみられている。
ただ、中町長は委員会終了後、「期限までに必ず人材を確保し、町長のメンツにかけて絶対に支障を来たさないようにする」と話し、計画変更の影響でゼロ、1歳児定員倍増などの新たなサービスを取り止めたり縮小したりはしないことを強調した。また、23年度以降の保育所運営については「議会と歩調を合わせ、よりよい方法を探していきたい」と将来的な民間委託導入には含みをもたせた。