アメリカニューハンプシャー州出身の小説家ダン・ブラウンの最新作「ロスト・シンボル」が、3日に発売された。おなじみハーバード大学教授のラングドンが科学と宗教の対立に絡む謎を解き明かしていくミステリー小説の3作目。今回は世界最大の秘密結社フリーメーソンの謎に迫るストーリーで、筆者が読んだらまた感想を小欄に書きたいと思う。
シリーズの1作目は「天使と悪魔」、2作目は「ダヴィンチ・コード」。トム・ハンクスがラングドン役で映画化もされ、大人気となった。ダン・ブラウンの小説が面白いと思うのは、もちろんよく練り上げられた謎やスリリングなアクション、ストーリー展開のスピード感などがあるからだと思うが、何よりも歴史的な事柄や最新科学などに基づいて書かれているため、非常に内容が現実的に感じるところである。例えばレオナルド・ダヴィンチが描いた「最後の晩餐」の謎や、極秘に世界で初めて大量の反物質の生成に成功した話などいかにもありそう。もしかしたら事実その通りで、それを知ったダン・ブラウンが小説を通じて暴露しようとしているのではないかと勘ぐるぐらい、よくできている。
シリーズの最大のテーマは科学と宗教の対立となっているが、ダン・ブラウンの父親は数学者であり、母親は敬虔(けいけん)なキリスト教の信者。なるほど、両親の夫婦仲がどうだったのかまでは知らないが、だから小説では科学にも宗教にもやたら詳しい内容が織り込まれているのだと思った。それがどうやらストーリーをより一層現実的なものにしている秘訣(ひけつ)だろう。何はともあれ3作目を早く読まねば。 (吉)