南米チリ中部で発生した巨大地震による津波が28日午後、 県内の沿岸部にも到達した。 津波の高さは串本町で県内最大の90㌢、 御坊市名田町でも40㌢が観測され、 人的・物的被害はなかったが、 日高地方では御坊市や美浜町、 みなべ町の沿岸部の住民計51人が自治体の避難勧告を受けて小学校体育館等に自主避難。 JRきのくに線は和歌山~新宮間で正午から午前0時ごろまで運転を見合わせた。
午前9時33分の津波警報発令を受け、 県は11時45分に災害対策本部を設置。 串本町では午後3時2分に県内最初の津波 (10㌢) が到達し、 6時10分には県内最大90㌢の津波が観測された。 日高地方では市内名田町の祓井戸海岸で3時22分に30㌢、 5時53分に40㌢を観測。 県内全体では沿岸部の17市町で計4万5236世帯、 8万8822人に避難指示・勧告が出された。
県のまとめなどによると、 日高地方は北から由良、 日高、 美浜、 御坊、 印南、 みなべの6市町で災害対策本部が設置され、 防災担当職員らが避難所に詰めたり、 警察や消防、 消防団と連携して広報・パトロール等を実施。 市内の名田町の海岸では津波を見物する人が多く、 釣り人の姿もみられ、 市職員や消防団員らがすぐに退避するよう注意した。 JRきのくに線は正午ごろから和歌山市~新宮間で普通、 特急の79本が運休となり、 午前0時前の運行再開まで約1万5000人の足に影響が出た。 御坊駅では帰れなくなった人があわててビジネスホテルを探す姿がみられ、 みなべ町では知人に車で迎えに来てもらう梅見客もいた。 その他、 各市町の状況は次の通り。
由良町 住民3人が避難したほか、 津波警戒で大引~小引間の県道と衣奈~小引間の町道が全面通行止めとなり、 中紀バスの白崎線由良駅~白崎西間が運休。 白崎海洋公園も午後から閉鎖された。
日高町 避難した人はなかったが、 役場からの遠隔操作で比井と産湯の水門を9割閉鎖。 比井湾内にある町斎場では1件の火葬が予定されていたが、 危険回避のため印南町で行われた。
美浜町 松原小学校に44人、 三尾小学校に2人の計46人が一時避難した。 和田地内の煙樹ケ浜近くの県道が午後2時すぎから7時半まで全面通行止めとなり、 御坊南海バスの日の岬パーク線、 阿尾線が運休した。
御坊市 消防職員、 消防団員らが海岸付近の釣り客や海を見に来た人に注意を呼びかけ、 地域を対象とした避難勧告はなかったが、 塩屋町の住民1人が市役所前の福祉センターに避難。 ほか、 下川の樋門が閉鎖された。
印南町 漁業関係者や釣り人に避難勧告が出されたが、 公共施設等に避難した人はなし。 町は印南地内の国道42号沿いに完成、 4月からの開放を予定していた津波避難タワーの開放を準備した。
みなべ町 堺、 埴田、 山内、 東岩代など6地区の635世帯、 1290人を対象に避難勧告が出され、 堺地区の住民1人が避難した。