県水産試験場は12日に田辺市のホテルで開かれた水産技術成果発表会で、 「養殖マダイの飼料として脱塩濃縮梅酢 (梅BX70) を与えることでエドワジエラ症などの病気に対する抵抗力が高まり、 死亡率が低下することが分かった」 と発表した。 今後はマダイだけでなく、 養殖のクエなどでも抗病性があるかどうか調べるという。
梅BX70は、梅干しを生産する過程で発生する副産物の梅酢から製造。みなべ町の梅加工業の㈱紀州ほそ川が開発した。すでに鶏の飼料として活用。産卵率のアップや免疫機能が向上、鶏自体の食味性も上がるなど効果があり、「紀州うめどり・紀州うめたまご」としてブランド化を進めている。
今回、県は養殖マダイについて研究。BX70を0・3%の割合で添加した配合飼料をマダイに与えて実験したところ、魚の頭部や尾付近に赤く膿瘍ができるエドワジエラ症に対して効果が確認された。感染しやすい状況をつくった水槽に通常の飼料を与えたマダイと、BX70を与えた梅マダイそれぞれ11匹を入れて飼育したところ、通常のマダイは約2カ月で全滅したが、梅マダイの死亡率は9%にとどまった。魚の脾臓 (ひぞう) がはれるイリドウイルス病の抗病実験でも、通常飼育のマダイの死亡率が60%だったのに対してBX70の梅マダイは40%だった。食味についても、プロの板前を対象に試食会を開いた結果、梅マダイの方がおいしかったという。
発表会では参加者からの質疑応答で「マダイ以外でも活用を考えていないのか」「梅酢のどの成分が効くのか」などの質問があり、研究した県職員の堅田昌英さんは「クエでも実験をしている段階」「どの成分が効くのかは特定できていない」と答えた。発表会ではこのほか「魚場長期予測の可能性」「シラスは何を食べているのか?」など6項目の内容で研究結果が報告された。