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紀州鉄道の存続模索へ

2009年9月 6日

 引退が決定している紀州鉄道の顔「キハ603」にわずかながらも存続の道が見えてきた。同鉄道㈱の高崎能紀(よしのり)社長は4日、市内有志らの「地域と紀州鉄道を元気にする会」=岸田秀信代表=との懇談会の中で車体を「休車」の扱いにできるかどうか模索することを約束した。元気にする会から存続の強い要望を受けての対応。廃車でなく休車なら、車体の整備さえできれば運行再開できる。しかし当面の整備費は約2000万円もかかり、この予算をどう捻出するのかという高いハードルが残る。

 キハ603は製造から49年、同鉄道での運行開始から34年を経て車体の老朽化が進み、安全面からこれ以上の運行が難しく、紀州鉄道㈱は車体を引退させ、代わりにレールバスを走らせる方針を固めている。懇談会には元気にする会メンバーと紀州鉄道社員のほか、御坊商工会議所地域活性化委員会委員、和歌山大学准教授、地元町内会長、語り部らもオブザーバーで出席した。高崎社長は引退の時期について「車体の状況からみて今月中にも運行停止をしなければならない。暫定ではあるが、27日に引退セレモニーの案もある」と説明。しかし、元気にする会のメンバーらから「全国的に多くのファンがいる」「長年親しみ愛着がある」「今後の寺内町観光に欠かせない」などと存続を求める声を受けて、「これ以上走らせると事故の危険性もあるので、今月中の運行停止に変更はない。ただ、許認可権を持つ運輸局に車体を休車扱いできるかどうか聞いてみたい。仮にできるなら運行停止をさせておいても再運行できる可能性は残される」と柔軟な姿勢をみせた。
 
 キハ603の部品はすでに製造されておらず、これまでも同じタイプのキハ604から部品を取りながら"延命措置"をしていたような状況。修理、修繕するなら部品を特注しなければならず、紀州鉄道側はこの予算を約2000万円と見積もっている。さらに、 仮に運行させても点検と整備費に毎年約500万円かかるという。運営は100円の切符を売るのに400円の支出がかかるような大赤字。紀州鉄道側としては経営面からも苦しい運行となっている。
 
 元気にする会ではこの予算について「国の地域公共交通活性化事業で約半分の補助金を受けて、残りは募金と増収で賄うよう努力できないか」と提案した。ただ、別の出席者からは「市民がどの程度キハ603の存続を望んでいるのか一度アンケートを取るべき。シンポジウムを開催して市民の機運を盛り上げるのも一つの手」との意見もあった。
 
 整理すると、紀州鉄道の存続に向けた課題はまず運輸局の休車許可、さらに許可が出たあとの車体の整備費捻出となっている。
 
 仮に整備費を寄付や補助金でまかなうなら、市や御坊商工会議所を巻き込み、そして地域住民全体で運動を盛り上げ、全国の鉄道ファンにも広く協力を呼びかけていかなければならないとみられている。

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