日高川町は本年度中に、玄子区にホタル観賞用の遊歩道を整備する。区内を流れる玄子川は日高地方有数のホタル観賞スポット。毎年シーズン中は多くの見物客が訪れるものの川沿いは足場が悪く、観賞地としては危険な状況で地域住民がかねて整備を要望していた。来シーズンには安心して無数の幻想的な光を楽しめるようになり、美しいホタルの地として名を広めそうだ。
シーズンになると、玄子川周辺では無数の光が乱舞。夜の静寂の中、川のせせらぎと小さな光がシンクロするように奔放に飛び回る景色が見物客を魅了している。4年前からは町商工会青年部の主催で、5月末にホタル観賞の夕べが開催。多くの家族連れらでにぎわう。しかし美しい川の象徴、ホタルが飛ぶようになったのはわずか8年前から。昔は現在と同様に観賞の名所として知られていたが、生活廃水や農薬などで水質が悪化。ホタルは姿を消した。そこで区はかつての美しい川を取り戻そうと一念発起。全区民を会員とするホタルを守る会を立ち上げ、11年前からは毎年、川の清掃活動を実施。両岸2500平方㍍にわたり美化活動に努めているほか、ホタルの生態研究についても意見交換するなどの努力が実を結び、再び美しい光が見られ始めた。
訪れる見物客は年々増えているものの、川の両岸は一部幅1㍍にも満たないコンクリート張りの農道があるだけで、ほぼ無整備。ホタルの観賞に適しているだけあって辺り一帯は真っ暗闇で、柵などもなく、観賞地としては危険な状況となっている。町ではこれらの状況や区のホタル復活への取り組みが県優良河川愛護団体に選ばれた実績なども考慮し、全長約390㍍の遊歩道設置を決めた。町道玄子早藤線の玄子橋から北へは川の右岸、同橋から南は一部両岸と左岸へ、道幅1㍍~2㍍程度で整備する。暗闇での歩行が多いことから入り口付近以外はバリアフリーで段差をなくし、全面にわたり川への転落防止柵を設けるなど安全面に細心の注意を払う。現在は測量など行っており、間もなく着手。事業費は国の地域活性化・経済危機対策臨時交付金の活用で約3000万円。今後も同様の要望があれば前向きに支援を検討していく方針。