日高郡町村会 (会長・入江勉美浜町長) の定例会は10日に振興局内会議室で開かれ、 同局建設部から新しい県の工事入札制度について説明を受けたが、 首長からは一般競争入札に伴う 「入札不調 (参加業者ゼロ)」 を危惧する声が相次いだ。 入札不調が起きるのは利益の少ない小さな工事を業者が敬遠するためで、 首長は 「特に災害復旧の工事が入札不調になると大きな問題になってくる」 とし、 制度の見直しを求めた。
県では工事入札の透明性を高めて談合防止を図ろうと平成19年6月から新しい入札制度を導入。県土整備部発注の全ての工事が一般競争入札になったのが特徴となっている。以後、何度か改正を行っており、この日の定例会ではことし6月から一部改正された内容について説明を受けたが、首長からは全ての工事が一般競争入札になっていることへの落とし穴を心配する声が上がった。まず、入江会長は「制度の内容自体が分かりにくい。業者への研修会を」と要請したあとで、由良町の畑中雅央町長らが「自然災害に伴う河川の護岸修繕や砂防、山の崩土などで入札不調があると、復旧工事が進まずに住民の生活に大きな影響が出る」と指摘。さらに「全てを一般競争入札にするのではなく、ケースバイケースで指名入札も取り入れてはどうか」と提案した。
振興局建設部によると、平成20年度に同局管内であった入札不調は6件。いずれも再入札を行い、それほど大きな工事の遅れにはつながっていないが、すでに入札不調が起きているのは確か。 入札不調になるのは数十万円から百十数万円の予算の少ない工事で、田中幸夫部長は 「特に山間部の河川の護岸修繕などは業者にとってもうけが少ない上に工事機材が運搬しにくいなど労力もいるために敬遠される」 と話し、 「20年度にあった入札不調の工事は、 だれもやる業者がなかったので、ある業者がほぼボランティア的にやってくれたと聞いている」と漏らしている。業者にとっては小さな工事でも引き受ければ評価点が上がることになるが、ランクが上がると、一層厳しい競争が強いられるランクで入札しなければならないという弊害も出てくる。
入札不調があった場合は再入札を行うが、手続きの関係で少なくとも3週間後になり、ずっと応札がなければどんどん工事が遅れていくことになる。これらを防ぐため、県では再入札を同じ内容の工事でやるのではなく、 例えば複数の小さな工事をセットにして金額を上げるなど工夫はしているが、 それでも業者にとって個々の工事のもうけは少なく、 敬遠される恐れもあるという。 ただ、 指名入札にした場合、指名された業者にとってはやりたくない工事を泣く泣くしなければならないという問題も出てくる。