美浜町の県立みはま支援学校(池田香弥校長)は29日、同校の教諭が日々の現場でつかんだ生徒の見方、授業の方法を外部にPRする公開実践報告会を開いた。意思表示カードや授業のタイムアウト部屋の設置など、人とのコミュニケーションに苦しむ広汎性発達障害やその二次障害に悩む生徒に対し、成果を挙げつつある独自の取り組みが報告された。
社会環境の変化に伴い、 県内で唯一の病弱支援学校の同校はここ数年で多かったぜん息など慢性疾患の生徒はなくなり、 コミュニケーション能力が低いために人前で極度の不安に陥るなどの広汎性発達障害、 さらに二次障害で心身症等の心の病気へと発展した生徒が増加。 両親や学校教諭から 「困った子」 というレッテルを張られ、 心に傷を負った生徒たちを受け入れるなかで、 同校は 「安心感・交渉・納得」 をキーワードに教育を実践している。 今回は午前中、 小・中学部・高等部の各クラスで授業が公開され、 午後は中学部の赤松正敏主事と高等部の深瀬史郎主事が実践報告を行った。
広汎性発達障害と診断されている生徒は、 集団に参加できない、 激しく興奮することがある、 視覚・聴覚的に苦手なことがある (感覚過敏性)、突発的な行動がみられる(衝動性)などの特徴があり、 教諭と生徒双方が行動の予定や不安、 疲れを訴えるコミュニケーションカードを取り入れ、 生徒に不安や興奮を落ち着かせるための音楽プレーヤーの入ったサバイバルバッグを持たせたり、 授業中に疲れた場合に教室を出て休憩できるタイムアウト部屋をつくるなどの取り組みを行っている。 これらの結果、 同校へ来るまで引きこもり状態だった高等部の生徒は登校が安定し、 2年目には修学旅行や作業所の見学に参加できるようになり、 全体を通して 「落ち着いて興味や関心のあることには意欲を持って取り組むようになった」という。
報告会には小中学校教諭、 小児科医、 周辺町の保健師、 県内各地の支援学校教諭ら約70人が参加。 池田校長は 「外部に向けて取り組みを発表する報告会はことしで2年目です。 支援学校の教諭が試行錯誤しながらつかんだ授業の方法、 生徒たちの社会生活の技術を参考にしていただければ」 と話している。